整体師になるには?整体師の資格取得ガイド
このページでは、鍼灸師(はり師、きゅう師)の国家資格の概要や取得方法、民間資格の整体師との違いを紹介します。
鍼灸師(はり師、きゅう師)とは、厚生労働省が整骨医、接骨医として定義している国家資格取得者です。柔道整復を業とし、本古来固有の伝統医療で評価、整復、固定、後療法、指導管理などを行います。
整体師に関連する国家資格としては、鍼灸師(はり師、きゅう師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師があります。柔道整復師の国家資格を取得すれば、その他の民間資格では禁止されている、「接骨院」や「整骨院」という施術所を開業できます。
鍼灸師(はり師、きゅう師)の国家資格を取得するには、高校卒業した後に厚生労働省や文部科学省が許可する大学や3年以上の専門学校で履修後、国家試験を受けます。厳密に言うと「鍼灸師」という名の資格は無く、「はり師」「きゅう師」という二つの国家資格を取得した人が一般的に「鍼灸師」として認められています。
厚生労働省が発表しているはり師ときゅう師の合格率の推移を見ると、受験者の内およそ70%~80%が合格しています。毎年の受験者数はおよそ5000人前後なので、単純計算で毎年3500人~4000人がはり師・きゅう師の国家資格を取得していることになります。
ちなみに大学や専門学校の新卒者の受講に限って言えば、合格率は90%以上とされています。なので良い評判や実績のある大学や専門学校を選ぶことさえ出来れば、はり師・きゅう師の国家資格取得はそこまで大きな難関とはならないということがわかります。
3年間に渡って専門学校に通う場合のおおよその相場は400~500万円とされています。4年制の大学に通う場合はさらに1年分(100~150万円)の学費が上乗せされます。はり師・きゅう師の資格を取得するためには厚生労働省や文部科学省の認可を受けた教育機関にて3年以上の履修を受けることが義務付けられているため、上記の費用は必要経費ということになります。
これらの数字だけを見ると費用面で敷居が高いと感じるかもしれませんが、費用面で支援を受ける制度もあります。厚生労働省による教育訓練給付制度です。
これは主に離職者や労働者が国家資格の取得を目指す際に利用できる制度となっています。鍼灸学科は厚生労働大臣によって教育訓練給付金を受けることが認可された科目のため、対象の人はハローワークにて最大で144万円まで支給してもらえます。是非とも活用しましょう。
鍼灸師(はり師、きゅう師)の国家資格は、公益財団法人東洋療法研修試験財団が毎年1回試験を実施。あん摩マッサージ指圧師と同様の概要で行われ、同時に受験することも可能。
試験科目は以下の通りです。
【共通科目】
・医療概論(医学史を除く)
・衛生学・公衆衛生学
・関係法規
・解剖学
・生理学
・病理学概論
・臨床医学総論
・臨床医学各論
・リハビリテーション医学
・東洋医学概論
・経絡経穴概論
・東洋医学臨床論
・【はり師資格取得のための科目】はり理論
・【きゅう師資格取得のための科目】きゅう理論
はり師ときゅう師の試験を同時に受ける場合やあん摩マッサージ指圧師の試験も同時に受ける場合は、申請すれば共通科目は一度だけ受けるだけで済むようになります。忘れずに申請しましょう。
合格基準は150点満点中90点以上の点数を取ることです。通常はマークシート方式による回答となりますが、視覚障害者などは問題用紙に直接回答する・点字による回答・試験問題読み上げによる受験なども利用することが出来るようになっています。
以下の要件を満たした人が、受験することができます。
学校教育法第90条の規定により大学に入学することのできる者で、3年以上文部科学大臣が認定した学校又は厚生労働大臣が認定した養成施設(いわゆる専門学校)で知識、技能を修得した者。
基本的に、厚生労働省や文部科学省によって認可された大学や専門学校では、国家資格を取得するために必要な知識や技能を習得できるカリキュラムが組まれています。そのため、認可された大学や専門学校にてしっかり3年間学びこむことによって上記の要件を満たすことは出来ますが、かと言ってどの学校でもいいと言うわけではありません。
良い評判や実績を得ていて就職率も良い学校を選ぶことが、資格取得確率やその後の職探しに大きな影響を及ぼします。3年間という長い時間と高い学費を投資するわけですから、学校選びにも細心の注意を払いましょう。
1試験につき11,600円(2試験23,200円、3試験34,800円)
鍼灸師(はり師、きゅう師)の国家資格は、受験資格を満たすために必要な履修期間が長く、知識や技術の習得にかかる時間と費用がかかります。整体師として活動する場合、国家資格は必須でないため、目指す整体師によっては民間資格のみ取得することが近道となります。
まずは、自分が目指す整体師を決めて、必要な知識と技術を学びましょう。